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新型コロナ対策第二弾:電解次亜水の生成
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     新型コロナ対策の第一弾として2月に「人感センサー付きの殺菌灯(?)を設置」を紹介しました。今日は第二弾として除菌消毒用の電解次亜水を作る方法を紹介したいと思います。

     

    ● 電解次亜水とは

     

     電解次亜水を説明するのが面倒なので[電解次亜水とは]で Google 検索してください(当方もあまりよく分かっていない)。Web サイトでは「一般財団法人機能水研究振興財団|機能水とは」なんかが良いと思います。次亜塩素酸ナトリウムの希釈液(ハイター)と同等性がある様で、食品添加物と同様に使用できるそうです。アルカリ性なので最近話題になっている次亜塩素酸水とは若干異なります。

     

    ● 電解次亜水の作り方

     

     電解次亜水を作るのは非常に簡単で、水道水に家庭用の食塩を溶かした溶液(普通の食塩水)を電気分解すると出来上がります。要は陽極と陰極を仕切る隔膜が無い(無隔膜)一室型電解槽で食塩水を電気分解するとできる水です。

     

    ● 電気分解には電極が必要

     

     電気分解には電極が必要です。陰極は陽イオンが電子を受け取る還元反応なので銅とか鉄とか普通にある金属が使えます。でも陽極は激しい酸化反応が生じ電極が溶けるので、例えば白金とか金の様なイオン化傾向の小さい金属を使う必要があります。でも白金とか金とか高価な金属はコスト的に使えませんよね。

     

     で使えるのが炭素棒。もともと炭素は水溶液中でイオンとして存在しないのでイオン化傾向は無し。イオン化傾向の表に入れるとしたら金の後ろになるでしょう。なので炭素棒を陽極に使って電気分解してもイオンとなって溶け出すことがなく、陽極として使えることになります。溶け出さずに粉になって剥がれ落ちる欠点がありますが。

     

    ● 電極の材料

     

     電気分解の陽極電極に炭素棒が使えます。陰極は電気が流れるものなら何でも良いです。工業生産現場では鉄を電極にしているようです。でも装置をセットする時、極性があると間違って反対に接続し電気分解してしまう恐れがありますよね。本来は陰極に使う電極を陽極にしてしまい、金属電極がイオンとして溶け出してしまう可能性があります。

     

     それなら、最初から両電極とも炭素棒にしてしまえば間違って接続しても問題ないことになります。なので炭素棒は2本使います。

     

    ● 炭素棒の入手

     

     Amazon から炭素棒を入手しようと検索すると、一応ヒットしますが、ほとんどが中国製。新型コロナウイルスの影響で、注文してもいつ届くのか判りません。そこで普通に国内で安価に入手できる物がないか探してみました。

     

     見つかったのが鉛筆の芯です。鉛筆と言っても金属の鉛を使っている訳じゃなく「黒鉛」の「鉛」だとか(本当かな〜)。鉛筆の芯は黒鉛粉末と粘土を混ぜて圧縮し高温で焼結した物。滑らかに書きやすくするため油やその他の物が入っていますが。

     

     で、探し当てたのが三菱鉛筆 uni フィールド建築用 2.0mm シャープ替芯 uni2.0-210 1P 硬度HB U202101PHB になります。文房具店で¥200-弱で売っています。

     

    ● 電解槽

     

     まず最初に一室型電解槽を作ります。一室型電解槽は陽極と陰極を仕切る隔膜を必要としないので簡単です。

     

     

     まず容器ですが、写真右 300ml ポカリスエットの様な容器を使います。キャップに穴を開け、鉛筆の芯を2本差込みます。固定は接着剤、例えばグルーガンを使うと上手くできます。キャップには写真左のように電解で発生したガスを逃す穴も開けておきます

     

    ● 電解している時の様子

     

     次に紹介する写真は実際に食塩水を電気分解している時の様子になります。

     

     

    ● 注意

     

     食塩水の電気分解を何回か実行すると陽極側の電極の表面が凸凹になってきます。陽極で発生した酸素と電極の炭素が反応して二酸化炭素を出しているのでしょうか。よく判りませんが電極が消耗している可能性があります。

     

     また、電圧を上げて大電流で電気分解すると電極から炭素の粉が剥がれ落ち、電解液の中に混ざって黒い浮遊物が生じます。炭素の粉なので除菌効果には影響しないと思いますが、私は嫌いなので、上記写真のような電解槽では 150mA 以下で電解を行なっています。

     

     陰極は消耗しないので何回か使ったら電極の極性を反転させるのも良いかもしれません。

     

    ● 電気分解の電源回路

     

     

     この回路は電源に 5V の AC アダプター(下の写真)を使った時のものです。両電極棒の長さや間隔、および食塩水濃度によって電流は変わります。なので1Ωの抵抗を1〜2個直列に接続し、流れる電流を 100〜150mA 程度にします。

     

     何らかの原因(ミス)で出力(両電極)がショート(短絡)する場合があります。抵抗だけでは AC アダプターの容量を超える恐れがあります。きちんとしたAC アダプターなら過電流保護機構が備わっていますが、例えばダイソーの安価な AC アダプターを使うとなると心配です。なので 250mA のポリスイッチを取り付けた方が安心です。このポリスイッチ XF025 は 250mA まで使え、遮断電流は倍の 500mA です。ポリスイッチ自体の抵抗も 1.5Ω程度あるので回路図のように抵抗は1Ωが1〜2本でも良いと思います。ポリスイッチは自動(温度の低下)で再度通電復帰するのでショートしても交換の必要がなく便利です。

     

     

    ● USB 充電アダプターを使う場合

     

     

     ダイソーで売っている USB タイプ (5V) の AC アダプターを使う場合には DC ジャックの代わりに USB TypeA のケーブルが必要になります。普通に USB TypeA のケーブルを購入すると結構な値段ですが。私は写真のような LED ランプを購入し、切断して使っています。ダイソーなら ¥108- なので安価です。

     

    ● 備考1:使用する食塩水

     

     電解に使用する食塩水は、水道水 300ml に 10g〜20g の食塩を溶かした物になります(結構しょっぱい味がします)。除菌に必要な次亜塩素酸濃度は 50〜200mg/L です。通電時間の長さで濃度を調整しようとすると出来た電解次亜水は結構しょっぱく、噴霧して乾くと白い塩の結晶が浮き出てきます。

     

     通電時間を長くし、次亜塩素酸濃度の高い電解次亜水(500mg/L)を作り水道水で薄め目的の濃度にすると、電解次亜水はしょっぱくなく乾いても白くなりません。舐めてみても塩辛さは感じず、水道水とは若干違うな〜と思う味まで薄まります。

     

    ● 備考2:通電時間と次亜塩素酸の濃度

     

      https://sonaeru.jp/goods/disinfectant/hypochlorous-acid-water/g-23/の Web 記事を読むと、濃度 400ppm (mg/L) の次亜塩素酸水は「ノロウイルス感染時の緊急殺菌、トイレ掃除・風呂場のカビ取り」に使うらしいです。上記回路で 300ml の食塩水に1時間通電(150mA) すると次亜塩素酸濃度は 500ppm(mg/L) 以上になります。半分の30分では 250ppm(mg/L) になるのかと言えば、何故か 100〜200ppm 程度にしかならないようです。なので1時間通電で 500ppm の電解次亜水を作り、水で薄めて必要な濃度にした方が良いと思います。気になる方は共立理化学研究所 次亜塩素酸試験紙でチェックすることをお勧めします。

     

     私は1時間程通電して出来た 300ml の電解次亜水(次亜塩素酸濃度 500ppm 以上)に水道水を加えて2Lにし 100ppm にしたり、水道水を加えて4Lにし 50ppm にしたりして使っています。pH も7〜8程度です(PH0-14精密PH試験紙)。

     

    ● 備考3:大電流だと電極から炭素の粉が剥離する

     

     電気分解の電流を 150mA 以上にしても電解次亜水は問題なく早く生成できます。しかし、電極に使用している鉛筆芯は電極に使用することを想定したものでは無いので大電流を流すと電極から炭素粉末が剥離してしまいます(電解液が汚れる、炭素の粉が含まれた電解次亜水でもウイルスの滅菌に問題は無いと思います)。電解電流を 150mA 以下に抑えると電極から炭素粉末が剥離しません(経験的に)。これは気分的な問題なので抵抗を接続せずに使っても構わないと思います。ちなみに抵抗を使わないと 5V のACアダプターでは 250mA 程度の電流が流れていました。

     

    ● 備考4:次亜塩素酸試験紙の漂白

     

     

     今回作った電解次亜水(基本的にハイターに近いので)は漂白作用があり次亜塩素酸試験紙に影響を与えます。写真右が電解液に浸してすぐの結果。左は電解液に浸してから1時間経過した時の結果です。このように、同じ次亜塩素酸濃度でも時間が経つと色が薄くなり試験結果に大きな差が生じます。

     

    以上

    | 電子工作 | 21:43 | comments(2) | - |
    コメント
    100mg/L の電解次亜水、 PH0-14精密PH試験紙では7&#12316;8位の色を示していました。なので次亜塩素酸の半分程度は次亜塩素酸だと想像。でも不安になり電解次亜水を pH メータで計測してみました。結果 9.41 でした。pH メータが正しいとなると作った電解次亜水は除菌効果のある次亜塩素酸を殆ど含まないことになります。残念ながら今回作った電解次亜水はハイターもどきだったようです。面倒ですが水で薄めた炭酸水(これ重要!)で割って pH 調整した方が良いかと(それなら最初からハイターを使えば安上がり! ハイターのハイボール?)。使う炭酸水は pH 5 以上で。それ以下になると「まぜるな危険」の塩素ガスが発生するのでご注意を。

     現在我が家では安全性を考えジクロロイソシアヌール酸ナトリウム(ハイスター 2.5Kg で3千円くらい)を水道水に溶かして使っています。 pH は 7.43 なので残留塩素の半分は次亜塩素酸だと思います。
    | 管理者 | 2020/04/14 8:35 AM |
    こんばんは。
    私も次亜塩素酸水生成パウダーなるものを注文しました。販売元では注文が立て込んでいるようですね。希釈方法については品物が届いてから考えたいと思います。
    それと昔作った、EPROMイレーサーでマスクの消毒をやってみました(ブログに載せました)。効果のほどは全く分かりません。UVでマスクの生地は確実に傷むのでしょうけど、水で洗う訳ではないので外見は元のままですね。まあ、気休め程度でよいと思っています。
    | vabenecosi | 2020/04/17 11:04 PM |
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